交通事故で脳出血になった時の慰謝料について


交通事故で頭に強い衝撃があると脳出血が起こることもあります。脳出血になると長期間の治療が必要となるだけでなく、後遺症が残ることも珍しくありません。症状の軽重にかかわらず治療費や慰謝料などを適切に請求することが重要となります。

請求の仕方や適用される基準によって受け取れる金額が大きく変わることもあります。

交通事故における脳出血

脳出血には外からの衝撃によるものと、頭の内部の問題によるものに大別することが出来ます。交通事故のような外からの衝撃によって起こる脳出血を外傷性脳出血と呼びます。脳出血は脳梗塞やくも膜下出血と合わせて脳卒中とも呼ばれており、場合によっては命に係わる状態となります。

脳出血は交通事故における怪我の中でも重傷に分類され、頭部に傷や打撃痕が残っていることが多いです。軽度のものでも頭痛や吐き気などを引き起こし、重度の場合はしゃべりにくくなったり、手足がしびれたりすることもあります。

意識障害が発生している場合はすぐさま手術をしないと危険な状態になります。軽度の脳出血の場合は本人がすぐに気づかないこともありますが、治療が遅れると深刻な事態にもなりかねないので、交通事故で頭を打った時には病院で治療を受けることを特にお勧めします。

脳出血になると意識障害などが起こることもあるので出来る範囲で症状を伝えるようにしましょう。

脳出血の治療や手術の費用の請求

脳出血は重度の症状が見受けられる場合には手術を受けることになりますが、軽度の症状の場合は手術以外の治療がなされます。手術を受けることが逆にリスクを高めてしまうことに繋がる恐れがあるからです。脳出血が交通事故によるものと証明できれば、手術費と治療費の両方の支払いを受けることが可能です。

脳出血には長期間の通院が必要であるということは保険会社も認識しているので、請求のハードルは高くありません。ただし、MRIなどでの診断を断った場合は脳出血であることを認めてもらえない可能性があるので、交通事故後に違和感があった場合はなるべく詳細な検査を受けることをお勧めします。

脳出血の詳しい診断を受けられるのは脳神経外科か脳外科です。他の科に搬送されると脳出血の診断が遅れてしまう可能性があるので、頭を打ったことを伝えることが大切です。交通事故で脳出血になると手術や治療などの費用と、精神的なダメージへの慰謝料の両方を請求することが出来ます。

弁護士に依頼せずに請求すると自賠責保険基準か任意保険基準が適用されますが、弁護士に依頼をすることによって弁護士基準での慰謝料を受け取れる可能性が高まります。脳出血のような重症の場合は自賠責保険基準と弁護士基準の差が大きいので、依頼するメリットも大きくなります。

また、意識障害などが起こっている場合は自ら示談交渉を行うことが難しい可能性があるので、その際にも弁護士に依頼することをお勧めします。

脳出血の後遺症について

脳出血は治療やリハビリで症状が改善されることもありますが、後遺症が残ってしまうことも多いです。後遺症が残るとその方の人生に重大な影響を与えることになります。そのため、怪我をしたこととは別の慰謝料を受け取ることが出来ます。

後遺症については後遺障害等級認定という仕組みがあり、等級認定を受けることでその区分ごとの慰謝料を受けられます。脳卒中の後遺症の場合は後遺障害等級7級程度が認定されるのが一般的です。一口に脳卒中の後遺症といってもその症状は様々であり、その重さに合わせた等級認定がなされます。

脳出血の後遺症により、それまでしていた仕事が出来なくなった場合は減収分について損害賠償請求を行うことが出来ます。それまでの仕事内容や怪我の程度によっては非常に大きな損害賠償となることも少なくありません。

その際には交通事故での脳出血と減収の因果関係の証明が重要となります。


脳出血の症状固定と後遺障害等級認定

脳出血に長期間の治療が必要となることは保険会社も認識していますが、あまりにも治療期間が長くなっていると治療効果が出ていないのではと考え、症状固定との診断を受けるように勧められることがあります。症状固定とは治療を行っても効果が出ない状態のことであり、この状態で治療を受け続けることはいたずらに治療費がかかってしまうことになります。

そのため、保険会社では症状固定となった時点で治療費の支払いを打ち切り、後遺症としての慰謝料の確定へと進めていきます。実際に治療効果が出ていないのであれば、症状固定という診断を受けても問題はありませんが、効果が出ているのに症状固定とされてしまうと大きな損をしてしまう可能性があります。

そのため、保険会社から症状固定、後遺症診断を急かされたとしても実際の症状と治療の効果から冷静に判断するようにしましょう。症状固定との診断を受けると後遺障害等級の認定手続きを行えるようになります。この認定の手続きには保険会社に一任する事前認定と、自ら請求を行う被害者請求という2つの方法があります。

脳出血で大きなダメージを受けた後に自ら申請を行うのは大変なので事前認定を利用する方も多いです。しかし、事前認定の場合は慰謝料を支払う側である保険会社が申請を行うことになるので被害者にとって不利な結果になる恐れがあります。

弁護士に依頼をして被害者請求を進めることで最大限の慰謝料を受け取れる可能性が高くなります。

脳出血のリハビリについて

脳出血になった後はリハビリを続けることで症状が改善していくことがあります。リハビリも治療の一環とみなされるので治療費を加害者側に請求することが出来ます。しかし、症状固定と診断された後は治療費もリハビリ費用も支払ってもらえなくなります。

ただ、リハビリ費用があまりにも高額となるケースにおいては稀に支払ってもらえることもあります。いずれにしても治療やリハビリの効果が出ているうちはなるべくそのことを主張し、あっさりと症状固定とされないようにすることが大切です。

脳出血はMRIなどでも明白な診断が出来る怪我ですが、自覚症状の差が生まれやすい怪我でもあります。病院で医師の診断を受けるときは自身の体調を率直に伝えるようにしましょう。最初は我慢していて後から症状を訴えても、本来の治療費がもらいにくくなってしまう可能性があります。